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Casey At The Bat [baseball]

1888年Ernest Laurence Thayer が発表した抒情詩です。
野球を心から愛していることが伝わってくる詩です。



      Casey at the Bat


その日マドヴィル・ナインの見通しは
決して明るくはなかった
得点は4対2から動かず、残り1イニング
ところがクーニーは1塁でアウト
バローズもまた・・・
いやな静けさが、試合を観ているファンの間に漂う

諦めて球場を立ち去る観客はほとんどなく
皆が望みを捨てきれずにいた
いつの世も人の心に湧き上がる希望を
パトロンたちは、ケーシーに強い当たりが出るなら
この打席に金を出したっていい、とすら思っていた

そしてケーシーの前は、フリンとジミー・ブレイク
フリンは大したものだが、ジミーは簡単にやられる
しかめ面をした観衆の中に、重苦しい空気が流れる
しかしわずかながらチャンスはある
ケーシーに打席が回れば

ところがフリンがシングルヒットを打ち
皆の表情は驚きに変わる
ジミーは相当見くびられてはいたが
打った瞬間ボールの皮が引きちぎられ
砂埃が舞い上がり、皆が目にしたのは・・・
ジミーは2塁でセーフ
フリンは3塁ベースにしがみついていた

5千、いやそれ以上の人々が大きな歓声をあげる
谷を抜け、山間にまで届き
山頂に達しこちらに還ってきた
ケーシーに送られる歓声
頼りのケーシーが打席へと向かう

ケーシーは平然として足場を固める
ケーシーの誇り高さが
態度や浮かべる笑みににじみ出る
声援に応えて軽く帽子を取る
この観衆の中には
打席にいるケーシーを知らないものはいない

1万の瞳の視線の先には
土を手にこすりつけるケーシーがいる
5千人の喝采は
ユニフォームで土をぬぐうケーシーへ
苦しいピッチャーは後ろ手にボールを持っている
ケーシーの挑戦的な目
せせら笑いでその唇は歪んでいる

それから革張りのボールが音を立てて飛んできた
ケーシーは立ったままボールを見つめている
傲慢ともいえるほどの威厳を放ちそこにいる
強打者に近づいていくボールは速球だったが・・・
ケーシーは「俺の好きな球じゃない」
審判のコールは「ストライクワン」

ベンチからは押し殺した声があがる
荒れ狂う波に打たれているのに
海岸は遠くはるか彼方、とでも言うような声
「へたくそ!審判うせろ!」
スタンドの誰かが叫んだ
そのときケーシーが手を挙げなければ
審判をつまみだしそうな勢いだった

偉大なるケーシーの微笑みは
キリスト教徒らしく博愛に満ち表情は輝いている
湧き上がるどよめきを鎮め試合を続ける
ケーシーがピッチャーに合図をすると同じ球がきた
それでもケーシーは反応しない
審判のコールは「ストライク2」

「いんちきだ」
逆上した群集の叫びはこだましたが
軽蔑しているようなケーシーの様子に
群集はかしこまった
観衆が見つめるケーシー
その表情は険しく冷淡になり筋肉が締まる
「ケーシーはもうあのボールを逃さない」
皆がそう思っていた

ケーシーの口元の薄ら笑いは消え
敵意に燃えて歯をくいしばり
プレートが割れそうなほどバットで叩く
そしてピッチャーがボールを握り、投げる
ケーシーの力強いスイングで空気が揺れ動く

この国のどこかでは
太陽が輝いているというのに
どこかでバンドが演奏し心は躍る
どこかで男たちは笑い
子供たちは大声を出している
それなのにマドヴィルには
悦びがどこにもない
頼りのケーシーが
三振してしまったのだから

 Casey at the Bat: A Ballad of the Republic Sung in the Year 1888 (Caldecott Honor Book)


Wake Up Dead Man [U2]

この曲はBill Grahamへ捧げた曲です。
氏は『HOT PRESS』の記者であり、U2の批評ではかなり手厳しい言葉を投げかけていました。その一方では「彼らには知性と意志がある」との最高級とも言うべきほめ言葉もありました。
東京ドームの「Pop Mart Tour」直前にInxsのMichealが亡くなり、二人の友人の死を悼んでか最後を飾ったのが、この曲です。
照明がついて観客が退場する際には、Inxsの名曲『Never Tear Us Apart』が会場内に響き渡りました。


                     Wake Up Dead Man

     助けて
     この世界で独りぼっちなんだ
     こんな混乱しきった世の中なのに
     あの話をして
     朽ちることのないもの
     そしてすべてがどうなっていくのか

     起こして
     死者を起こして
     目を開けさせて
     死者を起こしてください

     イエス様、ここであの人を待っているのです
     僕らを気にかけて下さっているのは分かっています
     それとも、他の事で精一杯なのでしょうか
     あなたの父上である神が
     世界を7で創り、天国を司っている
     口添えをしていただけませんか

     起こして欲しいのです
     死者を起こしてください
     起こしてください
     起こしてください、死者を

     自分の言葉に耳を貸せば
     何をすればいいのかが分かる
     リズムに身を任せれば
     惑わされる
     サックスの音色のなかの
     リードの音に耳を澄ますんだ
     ラジオから聞こえる
     低い唸りを聞くんだ
     次々に鳴り響く凶器の音
     その向こうに耳を傾けるんだ
     行き交い、巡る雑音の中で
     聞き耳を立てるんだ
     希望と平和が共鳴しようとしているなら
     その詩を聴くんだ
     マーチング・バンドの行進が終わるまで
     聴き続けるんだ

     起こして
     死者を起こして
     目を開けさせて
     死者を起こしてください

     イエス様、すぐ近くにいらっしゃるのですか?
     彼女に警告しようとは思わなかったのですか?
     それとも新しい仕事をしているのですか?
     秩序などないようなこの世界
     もしあるというのなら
     それはテープレコーダーのような物ですか?
     もう一度だけ、巻き戻すことはできますか?

     起こして欲しいのです
     死者を起こしてください
     起こしてください
     起こしてください、死者を

 

 POP


U2 "Stuck In A Moment You Can't Get Out Of" [U2]

この曲は自殺した(と言われている)Micheal Hutchenceへの切ない思いをつづったものです。
辛いとき、苦しいときにこの詩は気持ちを楽にしてくれます。


            Stuck In A Moment You Can't Get out of

     
     この世に怖いものなんてない
     投げつけられたことのない
     そんな言葉はないくらいなんだ
     ちゃんとしたメロディを作ろうとしてるだけ
     一人きりでも口ずさめる
     そんな曲を作りたいだけ

     君を馬鹿だなんて
     そんな風に思ったことなんかない
     だけど、自分のことを見て
     真っ直ぐ立って
     自分で歩かないと
     泣いたって何にもならないよ
     ねぇ
     
     しっかりしなよ
     君は一瞬に囚われてしまった
     身動きできなくなってるんだ
     これから良くなるなんて言わないで
     君は一瞬に囚われている
     身動きが取れなくなってるんだ

     僕は捨てたりしない
     君がもたらしてくれた色彩を
     だけど花火で満たされた夜も
     君を変えられなかった
     僕はいまだに心を奪われているのに
     君がもたらしてくれた光を
     いまだに君の耳を通して聞き
     君の目を通して見えているんだ

     なのに君は本当に馬鹿だ
     そんなに心配しないで
     辛いのは分かってる
     いつも満足じゃないのも分かってる
     それは今本当に必要なものじゃないからだよ
     なのに、それなのに・・・

     しっかりしなよ
     君は一瞬に囚われてしまった
     身動きできなくなってるんだ
     これから良くなるなんて言わないで
     君は一瞬に囚われている
     身動きが取れなくなってるんだ

     僕はもうろうとして眠りかけてた
     水は温かいんだ
     どんなに深いか気付くまでは
     僕は跳んでいたんじゃない
     僕にすれば、堕ちてたんだ
     ずっと堕ちていくんだ
     なにもないところまで
 
     しっかりしなよ
     君は一瞬に囚われてしまった
     身動きできなくなってるんだ
     これから良くなるなんて言わないで
     君は一瞬に囚われている
     身動きが取れなくなってるんだ

     夜が走り去ってしまっても
     日の光が長くは続かなくても
     僕たちが石だらけの山道で
     行き詰まってしまっても

Stuck in a Moment You Can't Get out Of  


 


U2 "Walk On" [U2]

この曲はミャンマーの民主化に尽力するアウンサンスーチー氏に捧げられています。
余談ですが、この曲が収録されているアルバム『All That You Can't Leave Behind』のジャケット、メンバーの後ろに掲示されている番号「J33-3」は、エレミア書(旧約聖書中の1)33章3節のことです。内容は「私を呼べ。そうすれば私はあなたに答え、あなたの知らない理解を超えた大いなる事を、あなたに告げよう」(新改訳)です。

 


              愛はたやすいことじゃない
     唯一持っていられる手荷物は
     愛はそんなものじゃない
     これだけは置いていけない

     闇が僕らを引き離すとしても
     光を彼方に感じたとしても
     もしガラスの心が割れてしまっても
     もしほんのひと時振り返ったとしても
     どうか強くいてください

     歩いて、その足で歩いて
     あなたが得たものは奪われない
     感じることすらできやしない
     無事でいて欲しい 今夜は

     あなたがスーツケースに荷物を詰める
     向かうのは他の誰もいったことのない場所
     この目で確かめるまでは信じ難い
     そんな場所
     逃げ出すこともできたのに
     開かれた籠の中でさえずる鳥は
     飛んでいってしまうものなのに
     自由を求めて飛んでいくのに

     歩いて、その足で歩いて
     あなたが得たものを否定なんてできない
     売ることも買うこともできやしない
     どうか無事でいて欲しい 今夜は

     あなたの痛みは分かっています
     あなたの嘆きも
     そんなにも苦しんでいるのに
     耐えるしかないなんて
     でも歩いて、歩いてください

     故郷のない者には
     どんなものかわからない
     故郷が何処かは言えないけれど
     僕は帰るんだ
     苦しみのある あの場所へ

     あなたの痛みは分かっています
     あなたの嘆きも
     そんなにも苦しんでいるのに
     耐えるしかないなんて
     でも歩いて、歩いてください

     置いていってください
     あなたは全てを置いていくのです
     作り上げても
     作り出しても
     築き上げても
     壊しても
     判断しても
     盗んでも
     あなたは全て
     置いてきてもいいのです
     議論しても
     感じ取っても
     説いても
     飾り立てても
     計画しても・・・

Walk On 


U2 "In A Little While" [U2]

Bonoは心の底から奥様を愛していらっしゃるんですね。
これ以上解説のしようのない曲です。




     In A Little While

     もう少しで
     君は僕のものになるんだよ
     もう少しでそっちにいくから
     後もう少しで
     苦しみは吹っ飛ぶんだ
     家に着いたらね
     愛しい人

     暗闇が深く息を吸い
     白昼には空気がない
     這いつくばってたどり着いたら
     君はそこにいるのかな?

     もう少しで
     些細なことでいちいち倒れたりしない
     金曜の夜から日曜まで
     僕はひざまづく
     その娘はね
     僕のものなんだよ
     あの頃は

     スペインの瞳を持つ少女だった
     初めて会ったとき君は
     乳母車で押されてた
     それがこんなに成長して
     そう、あれから今まで・・・
     もう少しだよ

     鎮めるんだ
     この胸の高鳴りを
     夢見る男
     いつか飛ぶことを
     空想する男
     宇宙船で空高く
     闇の中の消えそうな星に住み
     追いかけるんだ
     ほうき星を、星屑を
     明かりをつけて
     照らしてよ
     君が高鳴らせる
     僕の胸を

     この鼓動を鎮めて
     慌てずに、ゆっくりと
     この鼓動を鎮めてよ
     慌てずに、ゆっくりと
     胸の鼓動を鎮めて
     慌てずに、ゆっくりとね
     愛しい人

オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド 
     




COLDPLAY "Warning Sign" [COLDPLAY]

この曲は映画『CODE46』のエンドロールで流れていたのでご存知の方も多いと思います。
愛し合いたくてもそれができない。
自分の意思とは違う力によって引き離される。
とても切ないストーリーで、音楽も映像美を引き立たせていました。


       Warning Sign

     警告のサイン
     愛しい人に会えなくて
     やっと気付いた
     見ると泡のような夢ははじけた
     言い逃れようとしてた
     早く来て
     僕が今どんな風か教えるから
     声を大にして君に言うよ
     警告のサインを探し始めたんだ

     本当は
     君に逢いたい
     本当はね
     君に逢いたいんだ とても

     警告のサイン
     君がまた僕の脳裏に焼きついて
     やっと気付いた
     君は1つの島で 
     僕はその島を通り過ぎてしまった
     君は島であり 
     見つけ出さなきゃいけないんだ
     早く来て
     僕が今どんな風か教えるから
     声を大にして君に言うよ
     警告のサインを探し始めたんだ

     本当は
     君に逢いたい
     本当はね
     君に逢いたいんだ とても
     僕は疲れたんだ
     どうして君を行かせてしまったんだろう

     だから僕は這いつくばって還るんだ
     君が広げる腕の中へ
     這ってでも還るんだ
     その腕の中へ

Rush of Blood to the Head 


U2 "One Step Closer" [U2]

この曲の最後に"With special thanks to Noel Gallagher"とあります。
Bonoの父親は自分の信仰を意識していないけれど
人生が終わろうとしている時に、信仰を捨ててしまったと
BonoがNoelに話しました。
それに対してNoelが「自分の信仰に気付く為の1歩だ。1歩近づいた("One Step Closer")んだ」
と言ったそうです。





        

One Step Closer

     すぐそこにあるのは全てが現実
     希望は道路の向かい側にある
     僕は橋の下にいる
     激流が"僕のもの"全てを飲み込む

     少しづつ、分かってくるんだ

     賑やかな交差点の真ん中に立って
     前に進めなければ、後戻りもできない
     未来は見えてこない
     僕から遠のいていくテールランプ
     その光をみつめるだけなんだ

     少しづつ、分かってくるんだ
     理解していくんだ

     僕はボロボロの服を干している
     萎れたバラの棘で刺した指はまだ赤い
     そう、傷ついた心だって脈打つんだ
     ドラムがスローダウンしてる
     君には聞こえる?


     少しづつ、分かってくるんだ
     少しづつ理解していくんだ

How to Dismantle an Atomic Bomb  


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